社交不安障害
社交不安障害は人前で話す、集団の中で過ごす、試験や面接などの社交的な場面で自己表現することが苦手なために強い不安や恐怖心を感じる精神障害で、社交不安症とも呼ばれます。
社交不安障害を持つ人は社交的な場面に直面すると過剰な自己意識や自己評価の低さ、否定的な思考が増幅され、緊張や不安、恐怖感を感じやすくなります。
そのため公の場での人前でのスピーチ、パーティーなどのイベント、面接や試験、職場のミーティングなどが困難な場合があります。
さらに他人とのコミュニケーションや人前での行動に対する恐怖心から自分自身を過剰に制限する傾向もあります。
発症の原因としては遺伝的な要因、生まれ育った環境、社会文化的要因、不安やストレスに関連する生物学的要因などが挙げられ、その他過去にトラウマ体験をしたことがある場合にも社交不安障害を発症することがあります。
社交不安障害は日常生活において重大な影響を与える場合があり、学校や職場でのパフォーマンス低下、社交的な活動の制限、孤立や孤独感、うつ病や不眠症の発症などの恐れがあります。
社交不安障害の患者さんが注意するべきことは以下のとおりです。
・自分自身の感情や体の反応を認識する
・限界を理解する
・コミュニケーションスキルを向上させる
・日常的なストレスを減らす
・自分自身を否定しない
・自己肯定感を高める
社交不安障害の症状を軽減し、より健康的な生活を送るようにしましょう。
ご家族は以下のことに気を付けましょう。
・症状の理解を示す
・落ち着いた環境を作る
・無理強いしない
・患者さんの話を聴く
・励ます
・患者さんに対するプレッシャーを避ける
患者さんの生活の質はご家族のサポート次第です。
KNOWLEDGE
東向日第二タニムラ医院が
提供する基礎知識と事例
-
不眠症
不眠症とは十分な睡眠を得ることができない、または睡眠の質が悪い状態を指します。日本の厚生労働省が行った調査によると2019年度の精神障害による休職者のうち、不眠症によるものが全体の約30%を占めています。また、年齢が上が […]
-
コミュニケーション障...
コミュニケーション障害とは人との意思疎通が困難になる状態を指し、言葉やジェスチャー、表情、視線などの要素のいずれかが正常に機能しないため、相手との意思疎通に支障が生じるという状態です。コミュニケーション障害は大きく分けて […]
-
躁鬱病
躁鬱病は気分障害の一種で躁状態とうつ状態が交互に現れる病気です。躁状態は興奮状態で多弁、楽天的、冒険心が増し、やる気が高まるなど高揚感を伴う状態です。一方、うつ状態は意欲が低下し、憂鬱な気分や無力感が続き、身体的な症状も […]
-
解離性障害
解離性障害は過去のトラウマやストレスなどの精神的な圧迫によって個人が自己の身体や感情、記憶、意識などの要素を正常に調整できなくなり、解離(分離)してしまう状態のことを指します。解離状態では自己の身体や意識が現実感を失い、 […]
-
チック・吃音
チックとは不随意運動症候群の一種で突然起こる短い無意識の動作や発声を指します。目を瞬き、首を動かす、口を鳴らすなどの身体的な動作、またはくしゃみや咳、喉の鳴り声などの音声的な発作を含みます。軽度から重度までさまざまな程度 […]
-
物忘れ外来
物忘れ外来とは主に高齢者に多い認知症や軽度認知障害などの症状を持つ患者さんが診療を受ける外来のことです。認知症や軽度認知障害などは物忘れが増えることが特徴的です。また、注意力が散漫になり迷いやすくなるなどの症状が現れます […]