解離性障害
解離性障害は過去のトラウマやストレスなどの精神的な圧迫によって個人が自己の身体や感情、記憶、意識などの要素を正常に調整できなくなり、解離(分離)してしまう状態のことを指します。
解離状態では自己の身体や意識が現実感を失い、自分自身や周囲の環境が夢のように感じられる状態になり、トラウマ体験によって感じた恐怖や痛みから逃れるために自己防衛機構として現れます。
症状としては記憶の欠落、自己同一性の喪失、解離状態、自己と他者との境界の不明瞭化などがあります。
解離性障害には解離性同一性障害(以前は多重人格障害と呼ばれていました)、解離性遁走障害、解離性感覚障害などがあり、中でも解離性同一性障害は複数の人格が存在することが特徴的で、そのうちの一つまたは複数の人格が支配的になって行動を制御する状態が続く場合もあります。
患者さんがよりよい生活を送るために以下のようなことに注意しましょう。
・トリガーとなる刺激の回避
・安定した環境の提供
・コミュニケーションを円滑にする
・カウンセリングや治療を受ける
・突然の環境の変化に注意する
解離性障害を持つ患者さんは治療やサポートを受けることで症状を緩和することができます。
しかし、完全な治癒は難しい病気であり、長期的な治療とサポートが必要となります。
ご家族が患者さんをサポートすることは非常に重要です。
以下はご家族がサポートできることの例です。
・症状の知識を得る
・安心できる環境を提供する
・感情的なサポートを提供する
・カウンセリングや治療を受けることを奨励する
・焦らず、無理な要求をしない
・専門家の支援を求める
・ご家族自身のケアをする
ご家族は患者さんをサポートし、共に治療に取り組むことが大切です。
KNOWLEDGE
東向日第二タニムラ医院が
提供する基礎知識と事例
-
強迫性障害
強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder, OCD)は不安や恐怖などの精神的な苦痛を引き起こし、強制的な妄想や強迫行動が特徴的な精神障害の一つです。頭の中で不必要な妄想や思考が繰り返されるこ […]
-
認知症
認知症とは脳の神経細胞や神経回路の機能が低下し、認知機能に障害が現れる状態のことを指します。一般的には加齢や疾患、または脳に影響を与える外傷などによって引き起こされることが多く、若年性認知症の場合もあります。認知症は主に […]
-
摂食障害
摂食障害とは食事に異常な行動を示す心の疾患のことで一般的に3つに分類されます。 ・拒食症食事を制限し、体重を減らすことを目的とした異常な食事行動が特徴です。自己評価の低さや外見に対するこだわりがあり、体重が極端 […]
-
社交不安障害
社交不安障害は人前で話す、集団の中で過ごす、試験や面接などの社交的な場面で自己表現することが苦手なために強い不安や恐怖心を感じる精神障害で、社交不安症とも呼ばれます。社交不安障害を持つ人は社交的な場面に直面すると過剰な自 […]
-
双極性障害
双極性障害は脳の神経伝達物質のバランスが崩れることで引き起こされる気分障害の一つです。一般的にうつ病と躁病の2つの病態が交互に現れることで特徴付けられます。 原因としては遺伝的要因や生物学的要因、ストレスなど様 […]
-
チック・吃音
チックとは不随意運動症候群の一種で突然起こる短い無意識の動作や発声を指します。目を瞬き、首を動かす、口を鳴らすなどの身体的な動作、またはくしゃみや咳、喉の鳴り声などの音声的な発作を含みます。軽度から重度までさまざまな程度 […]