不眠症
不眠症とは十分な睡眠を得ることができない、または睡眠の質が悪い状態を指します。
日本の厚生労働省が行った調査によると2019年度の精神障害による休職者のうち、不眠症によるものが全体の約30%を占めています。
また、年齢が上がるにつれて不眠症の発生率が高くなる傾向があります。
症状には以下のようなものがあります。
・入眠困難
寝るのに時間がかかる。
・中途覚醒
夜中に何度も目が覚める。
・早朝覚醒
朝早く目が覚め、その後寝つけない。
・寝付きが悪く眠りが浅い
熟睡感が得られない。
不眠症は一時的なものから慢性的なものまで様々な状態があります。
短期的な不眠症は、ストレスや緊張、体調不良などによって引き起こされることがあります。
一方、慢性的な不眠症は心理的・生理的原因、生活習慣の乱れ、薬物やアルコールの使用などによって引き起こされることがあります。
日中に眠気が襲ってくるため集中力や注意力が低下し、パフォーマンスの低下や仕事や学業の成績の悪化などが起こることがあります。
また、不眠症が長期間続くと、うつ病や不安障害などの精神的な問題を引き起こすこともあります。
不眠症は以下のようなことに気を付けましょう。
・睡眠環境を整える
・生活習慣の改善
・アルコールやカフェイン、ニコチンの摂取を控える
・ストレスを減らす
・薬物治療は適切に行う
治療には時間がかかる場合があるため、根気よく対処するようにしましょう。
患者さんにとってご家族のサポートは非常に重要です。
ご家族ができる例は以下のようなものがあります。
・快適な睡眠環境の整備
・規則正しい生活習慣の維持をサポート
・ストレスの軽減
・睡眠薬の適切な利用をサポート
・医師の診断や治療をサポート
不眠症は治療には時間がかかることがあります。
ご家族は患者さんが治療を受ける際に付き添いなどのサポートをすることが大切です。
しかし、ご家族自身も疲れやストレスを抱えることがあるため注意しましょう。
KNOWLEDGE
東向日第二タニムラ医院が
提供する基礎知識と事例
-
自傷行為
自傷行為とは自分自身に意図的に身体的なダメージを与える行為を指します。自殺行為とは異なり、生き残ることを意図して行われます。一般的に、自分の手首、腕、脚、胸などを切る、打つ、噛む、引っ掻く、やけどをつけるなどがその例です […]
-
解離性障害
解離性障害は過去のトラウマやストレスなどの精神的な圧迫によって個人が自己の身体や感情、記憶、意識などの要素を正常に調整できなくなり、解離(分離)してしまう状態のことを指します。解離状態では自己の身体や意識が現実感を失い、 […]
-
失声
失声とは声を出すことができなくなる症状のことを指します。人は気道を通って肺から空気を送り出し、その際に声帯が振動することで声を発しますが、失声の場合は声帯の振動がうまく行われず、声を出すことができなくなってしまいます。原 […]
-
コミュニケーション障...
コミュニケーション障害とは人との意思疎通が困難になる状態を指し、言葉やジェスチャー、表情、視線などの要素のいずれかが正常に機能しないため、相手との意思疎通に支障が生じるという状態です。コミュニケーション障害は大きく分けて […]
-
社交不安障害
社交不安障害は人前で話す、集団の中で過ごす、試験や面接などの社交的な場面で自己表現することが苦手なために強い不安や恐怖心を感じる精神障害で、社交不安症とも呼ばれます。社交不安障害を持つ人は社交的な場面に直面すると過剰な自 […]
-
物忘れ外来
物忘れ外来とは主に高齢者に多い認知症や軽度認知障害などの症状を持つ患者さんが診療を受ける外来のことです。認知症や軽度認知障害などは物忘れが増えることが特徴的です。また、注意力が散漫になり迷いやすくなるなどの症状が現れます […]