解離性障害
解離性障害は過去のトラウマやストレスなどの精神的な圧迫によって個人が自己の身体や感情、記憶、意識などの要素を正常に調整できなくなり、解離(分離)してしまう状態のことを指します。
解離状態では自己の身体や意識が現実感を失い、自分自身や周囲の環境が夢のように感じられる状態になり、トラウマ体験によって感じた恐怖や痛みから逃れるために自己防衛機構として現れます。
症状としては記憶の欠落、自己同一性の喪失、解離状態、自己と他者との境界の不明瞭化などがあります。
解離性障害には解離性同一性障害(以前は多重人格障害と呼ばれていました)、解離性遁走障害、解離性感覚障害などがあり、中でも解離性同一性障害は複数の人格が存在することが特徴的で、そのうちの一つまたは複数の人格が支配的になって行動を制御する状態が続く場合もあります。
患者さんがよりよい生活を送るために以下のようなことに注意しましょう。
・トリガーとなる刺激の回避
・安定した環境の提供
・コミュニケーションを円滑にする
・カウンセリングや治療を受ける
・突然の環境の変化に注意する
解離性障害を持つ患者さんは治療やサポートを受けることで症状を緩和することができます。
しかし、完全な治癒は難しい病気であり、長期的な治療とサポートが必要となります。
ご家族が患者さんをサポートすることは非常に重要です。
以下はご家族がサポートできることの例です。
・症状の知識を得る
・安心できる環境を提供する
・感情的なサポートを提供する
・カウンセリングや治療を受けることを奨励する
・焦らず、無理な要求をしない
・専門家の支援を求める
・ご家族自身のケアをする
ご家族は患者さんをサポートし、共に治療に取り組むことが大切です。
KNOWLEDGE
東向日第二タニムラ医院が
提供する基礎知識と事例
-
うつ病
うつ病は気分障害の一種で慢性的な抑うつ感や興味喪失、自己評価の低下、身体的な症状(疲れや痛みなど)などが2週間以上繰り返し現れる状態を指します。世界保健機関(WHO)によると世界の約4.4%が1年間でうつ病を発症しており […]
-
統合失調症
統合失調症は主に思春期後半から若年成人期にかけて発症する精神疾患の一種で、現実感覚や感情、思考、行動などの複数の心理的機能に影響を与えます。症状は幻覚、妄想、言葉や思考の混乱、感情の鈍麻、社会的な引きこもりなどがあり、そ […]
-
自律神経失調症
自律神経失調症は自律神経系のバランスが崩れることによって引き起こされる疾患の一つで、交感神経と副交感神経の調節が不均衡になり、様々な身体症状を引き起こします。自律神経系は身体の自然な機能を調節するために自律的に働く神経系 […]
-
双極性障害
双極性障害は脳の神経伝達物質のバランスが崩れることで引き起こされる気分障害の一つです。一般的にうつ病と躁病の2つの病態が交互に現れることで特徴付けられます。 原因としては遺伝的要因や生物学的要因、ストレスなど様 […]
-
摂食障害
摂食障害とは食事に異常な行動を示す心の疾患のことで一般的に3つに分類されます。 ・拒食症食事を制限し、体重を減らすことを目的とした異常な食事行動が特徴です。自己評価の低さや外見に対するこだわりがあり、体重が極端 […]
-
社交不安障害
社交不安障害は人前で話す、集団の中で過ごす、試験や面接などの社交的な場面で自己表現することが苦手なために強い不安や恐怖心を感じる精神障害で、社交不安症とも呼ばれます。社交不安障害を持つ人は社交的な場面に直面すると過剰な自 […]