統合失調症
統合失調症は主に思春期後半から若年成人期にかけて発症する精神疾患の一種で、現実感覚や感情、思考、行動などの複数の心理的機能に影響を与えます。
症状は幻覚、妄想、言葉や思考の混乱、感情の鈍麻、社会的な引きこもりなどがあり、それが持続的に現れることで日常生活や社会生活に支障をきたすことがあります。
発症メカニズムは完全には理解されていませんが、神経伝達物質のバランスの異常、脳構造の異常、ストレス、社会的要因が関与することが示唆されています。
また、遺伝的な要因も一因となることがあり、統合失調症を持つ親の場合、子供の発症リスクは約10~15%に上昇します。
統合失調症は世界で約1%の割合で発症すると言われ、発症年齢は20~30歳で若年成人期に最も多く、男性の方が若年期に発症しやすい傾向があります。
しかし、高齢者の場合、統合失調症と診断される前に認知症やうつ病などの症状が現れることがあり、診断が遅れる可能性があるため注意しましょう。
統合失調症は以下のことに気を付けましょう。
・早期治療を受けること
・規則正しい生活を心がけること
・ストレスを避けること
・薬物やアルコールを避けること
・定期的な医療チェックを受けること
統合失調症は完治しない病気ですが、適切な治療と生活習慣の改善によって症状を軽減させ、社会生活や日常生活を改善することができます。
ご家族が患者さんをサポートする方法をいくつか紹介します。
・患者さんの状況を理解すること
・患者さんの気持ちを尊重すること
・コミュニケーションを大切にすること
・忍耐強く接すること
・社会復帰を支援すること
・ご家族自身のケアを怠らないこと
患者さんをサポートするのはとても大変なことですが、ご家族が患者さんを支え、一緒に治療に取り組むことが重要です。
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